ゴルフがもっと身近に、誰でも楽しめるスポーツとして発展していくことを希望しています。

過去に訪れた世界のゴルフ場のうち、アメリカで体験したゴルフに関する様々な事柄を皆様にお伝えします。

管理者プロフィールでもご紹介しておりますが、日本を除くゴルフ場300ヶ所以上でプレイしました。

アメリカは多くのゴルフ場があり、スポーツとしてしっかり認知されています。

このようなゴルフ先進国から、学ぶことが多いと今でも考えています。

内容がちょっと古くなってしまいましたが、基本は今も変わらないはずです。10年前に遡ってお読みください。 

「米国のゴルフスタイルから学べるものはないか?」
 砂漠のオアシス-1   

アメリカ西海岸の大都市ロスアンジェルスの東160KM、車で約2時間のところに、東西に50KM南北に10KMのエリアの中に約100ヶ所のゴルフ場が林立する全米でも屈指のゴルフ場過密地区であるリゾートエリアがある。砂漠のオアシス、パームスプリングスがそれである。

温泉(?)保養地とゴルフで有名なこのリゾートエリアは1920年代のハリウッド全盛期に有名スターが人目を忍んで遊びにきた事でも知られる。

この一大リゾートエリアは厳密には北西から南東にパームスプリングス、カテドラルシティ、ランチョミラージュ、パームデザート、インディアンウェルズ、インディオ、そしてラ・キンタなどの町が集合体としてパームデザートエリアを形成している。

ここは全米第二の都市ロスアンジェルスの別荘地であると同時に全米の避寒地でもある。

アメリカの北部の多くの都市は冬期間に降雪があり、または非常に寒いためにゴルフができない場所が多く、パームスプリングス・フロリダ・アリゾナといった避寒地まで南下して、ゴルフを楽しみながらゆったり春を待つのである。

パームスプリングスを中心とするこのデザートエリアは、老人が多い。冬期間はシーズンインであり、エリア外からの観光客は多い。当然ながら定年後の移住者のカップルを数多く見受ける。また、この地区に限らず避寒地やリゾートエリア周辺には無料の貸家情報誌がたくさん置いてある。パソコンや情報誌を活用して好みのハウスを一月単位で借りてすごしているようである。気になる家賃は最低$500(5万3000円)程度から数多くあるようだ。

この周辺のゴルフ場のパターンは大きく2つのタイプがある。一つは住宅やホテルのコテージをメインとしたゴルフコースで各ホールに住宅やロッジが並んで建てられているケース。もう一つは住宅地やコテージをコース内に含まない、ゴルフ場を独立させたケースのゴルフ場である。後者のゴルフ場の方がプレーしていて安心感があるのはなぜだろう。

パームデザートエリアの気候は非常に温暖である。しかし、夏は気温が50℃近くになることもあり、完全なオフシーズンである。同時に年間降雨量が極めて少なく雨らしい雨が降らない。平地にも山にも樹木が一本もないし、またあっても育たないのである。デザートというきれいな印象と程遠い荒地がこのエリアの実態であり、開発によって手を加えた結果緑化されているのである。岩がごろごろしている荒地の薄茶色と目にも鮮明なグリーンの芝のコントラストは奇妙でもある。

日本でゴルフ場を開発する場合、まず森林の伐採から始まり、土工事が行われ山を削り谷を埋める。降水量が多いから災害防止のため防災調整池を作らねばならない。暗渠管も必要。でもこのエリアではそんなことは全く要らない。ただ絶対的に雨量が不足しているため人工的な潅水施設が不可欠だ。工事はシンプルでスプリンクラー敷設と芝生の植生工事がメインとなるため、ピートダイ・Jニクラウス・RトレントジョーンズJrなどといった有名デザイナーは腕を振りやすくそれぞれに特徴のあるコースをつくりあげている。不毛地帯にできたゴルフ場の緑がそこに定住している人やゴルファーの目をそして心を和ませてくれるのである。

1960年この地で、パームスプリングスゴルフクラシックとしてスタートしたトーナメントは、40年後の今年も1月19日から23日までPGAツアーのボブ・ホープクライスラークラシックとしてPGAウエスト、インディアンウェルズ、ラ・キンタ、バミューダデュ−ンズなどの会場で開催される。昨年最終日に59という驚異的なスコアで大逆転し、ツアー最小記録でD・デュバルが優勝したのはこの大会だ。インターステートハイウェイ10号線から南にボブホープドライブという通りがあったが、この大会のホスト役であるボブホープは今年94歳で健在とのことである。

 La Quinta Resort
 PGA West     TPC Stadium & Nicklaus Tournament
砂漠のゴルフ-2  

パームスプリングスは盆地である。1000メートル級の山から吹き降ろす風を活用して、風力発電が盛んだ。この自然の風を利用するクリーンエネルギーシステムは環境の保全という観点から注目されている。おびただしい数の風車が山の頂上から中腹そして平地に設置されている。ざっと数えても数千基はあるだろう。パームスプリングスは一年中風が強いわけでもなく、エリア全体に強風が吹くわけでもない。山から吹き降ろす風のルートがあり、そのルートに沿って風車が立っているのだ。そういえばカリフォルニア州のゴルフ場で使用するカートはすべてバッテリーカートだ。エンジンカートは環境保護の立場から使用禁止になっている。

今日はこの風車群を遠くに眺めながら、デザートデューンズコースに向かう。途中、道路が風の通り道を横切っている。突風が吹いている。道路にも砂がうっすらと積もり、時折一瞬だが視界ゼロになる。すぐに風の通り道を抜けた。デザートホットスプリングス(砂漠の温泉)地区についた。

道路の路肩に見過ごしそうな小さな看板があり、右手にハウスへの進入ロがある。程なくハウスについた。バッグドロップでキャディバッグを降ろす。誰もいない。日本のようにハウス前で迎えてくれる光景はそこにはない。車を駐車場に移動し、プロショップに向かう。予約は入れていないので持参した全米のゴルフ場の割引券を綴ったゴルフパスブックを提示し、スタート時間を確認する。すぐスタートできるとのこと。料金をカードで支払い、レシートを持って階下のスターターに見せる。スターターは勝手に回ってくれという雰囲気だ。

このコースはトレントジョーンズJrの設計による18ホールのパブリックコースだ。ハウス横には300ヤードを超える50打席ほどのゆったりした練習場が併設されており、数人が練習している。マットではなく芝生から直接打っている。このエリアのゴルフ場のどこにでもある光景だ。ここはリンクスタイプの戦略性の高いコースで、1995年USオープン、1996年PGAツアー、1999年シニアPGAツアー等々のクォリファイング会場となっている。

さっそく一番ティに向かう。今日はチャンピオンティから挑戦だ。各ホールにティは4ヶ所ほどあるがプレイヤ−の技量に合わせてどのティからでもチャレンジすることができる。勿論ややこしい手続きは不要だ。コースの戦略性もさることながら、グリーン・ティ・フェアウェイともに大変良く手入れされており、すばらしいコースであった。

このコースの料金は平日$100、金曜日からの週末は$1151万円から12千円位)トワイライト(薄暮ゴルフ)は午後130分以降のスタートで$65756800円から7800円)となっている。1人でも4名でも同額である。割引は前出のゴルフパスブック使用で$15引き、無料配布のガイドブックの割引券使用で$10引きとなっている。それ以外の割引はされていないようだ。

パームデザートエリアのゴルフコースはプライベート・セミプライベート・パブリック・リゾートに大別される。格式あるプライベートコースはメンバー同伴でなければプレーは不可能だがセミプライベート・パブリックコースは誰でもプレーが可能だ。余程混んでいなければ予約なしでもほとんどプレーが可能である。

セミプライベートコースで月間メンバーを募集している場合がある。一回のプレー料金の4倍〜5倍がおおよその相場だ。平日$60のコースなら$250位が月間メンバーフィーになり、何回プレーしてもいい。長期滞在の年金受給者には大変ありがたい。このような月間メンバーシステムのほか、1520回分程度の入会金と1回分程度の月会費が必要なメンバーシステムを導入しているケースがある。いずれの場合も預託金のように返却を前提とした会員制度はない。

どのコースでもハンディキャップの変更通知やメンバーへの告知はトイレの洗面所か通路等に掲示される。プレーもレストランの食事もメンバーへの告知もすべてが簡素だ。ゴルフをスポーツととらえている結果がこのようにさせているのかと考 えさせられてしまう。

砂漠のゴルフ-3

ロスアンジェルスからインターステート10号・15号を北東方向に向かう。荒涼とした砂漠の大地を走りつづける。約5時間で、不夜城ラスベガスが現れる。カジノの街ラスベガスは、ネバダ州が全米で最も早くカジノを合法化したことにより、カジノリゾートとして発展してき街だ。

近年ラスベガスはカジノリゾートから大人も子供も楽しめるエンターティメントリゾートに変貌を遂げている。1976年、他の州でもギャンブルが合法化され、アメリカ唯一のカジノ天国の地位を失った。この時、ギャンブルの街から方向転換をはかり、1990年代にはテーマパーク型巨大ホテルが次々と登場し、総合エンターティメント都市として変化してきた。

Las Vegas night view

一方でラスベガスはコンベンション都市として、脚光を浴びている。巨大ホテルの建設ラッシュが世界的規模の見本市やビジネスショウの誘致に拍車をかけ、世界中から訪問者が途絶えない。

ゴルフ用品の見本市であるPGAマーチャンダイズショウは毎年2月と9月に開催される。2月はフロリダ州オーランドのオレンジ郡コンベンションセンター、そして9月はここネバダ州ラスベガスのLVコンベンションセンターである。ゴルフの盛んな州での小規模な見本市は数多く開催されるが、2月と9月はスケールが違う。全世界・全米からゴルフ関係者がショウに訪れるのだ。

ラスベガスはギャンブルのイメージが強いため、物価が高いイメージがあるが実は大変安い。しかし、ゴルフのプレーフィは全米でも高い方だ。日本人に人気のハワイは日本人ゴルファーが大挙して押しかけることもあって非常に高いが、ラスベガスも同等ぐらい高い。なぜ高いのか?グリーンフィに時価(市価)を導入しているためであり、ラスベガスのホテル料金とも関係がある。ホテルの料金は、通常時とコンベンション開催時期などの繁忙期で約25倍の差がある。$50のホテルが混雑時に$200になってしまうのだ。繁忙期は高く、閑散期は安い。グリーンフィが高いのはゴルフ場の絶対数が足りないからだ。年間で一番高いのは冬季間の週末である。パームスプリングス同様夏期は熱射地獄と化すため、シーズンインは11月から5月位の間になる。このシーズンに大挙して押しかけるのはシカゴやニューヨークに代表される寒冷地からの移動者達、コンベンションへの出席者達であって、彼らがラスベガスのグリーンフィを跳ね上げているのである。もっとも高いといっても東京近郊の一流ゴルフ場のプレー料金とは比較にならないほど安いが。

ラスベガスのゴルフ場は全体的にコースグレードも高い。しかしながら、一般的な$50前後のコース芝の管理は$150のコースと比較して遜色はない場合がある。この地区のコースレイアウトや芝の管理には感激させられる。

ラスベガスでリーズナブルにゴルフをと考えるならば、閑散期か午後1時(2時)以降スタートのトワイライトがいい。日本でいう薄暮ゴルフだ。料金は30%引きから半額位に下がる。余程混雑していなければ18ホールは完璧にプレーできるし、日没で18ホールプレィできなくても誰もこだわらない。自分達の都合で、数ホールの残して終了する人たちもいる。時々日本人と組合せさせられるときがあるが、大抵の場合全部回らなければ気がすまないようだ。ゴルフに対する考え方の相違なのだろうか?

ラスベガスの中心部ストリップから半径20マイル以内に約20ヶ所のゴルフ場がある。最も近い場所にあるのが、デザートインGCだ。PGAツアーのラスベガス・インビテーショナルの開催コ−スであると同時にLPGA・シニアPGAの開催コースとしても知られている。昨年10月にはこの試合でT・ウッズが優勝している。このコースは輝かしい歴史を持つ、全米でも屈指の有名リゾートコースだ。コースは平坦な中にも起伏があり、微妙なアンジュレーションにスコアメイクは容易ではない。宿泊している場合、プレーフィは夏の閑散期$120、繁忙期が$160程度であり、プレーのあとホテルデザートインでカジノを満喫できる。ラスベガスはギャンブル・エンターティメントの街であると同時に、ゴルフの街でもある。

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 第2部へ続く
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